雪の結晶の分類:中谷宇吉郎による
雪の結晶というと、雪印のマークでおなじみの六角形の花のようなイメージがあります。
しかし、実際に降ってくる雪の結晶は一口に六角形といっても様々で、すべてが雪印のマークのような形をしているわけではありません。
それでは、どのような形の雪の結晶があるのでしょうか。
- 1.針状結晶
- ・きわめて細い針が数本束になったような構造の結晶
- ・気温が比較的高く0度に近いときに降る。(水蒸気が多いとき)
- ・欧州では観察記録がきわめて少ないが、北海道では珍しくない。
- 2.角錐・角柱・砲弾型
角錐
- ・ピラミッド型のこと
- ・スコレピーが北極圏で最初に観察した。北海道でもまれで観察数は少ない。
- ・人工的には比較的簡単にできた。
角柱
- ・雪の結晶としてはよく知られている形である。
- ・両底面に凹みの穴があることが多い。
- ・六角のウイスキーグラスといった形。
砲弾型
- ・角柱の頭に角錐がついたもの
- 3.砲弾型組合せ
- ・よく降って観察数も多い
- ・砲弾型の頭のとがったところが5個、6個、(もっと少ない数も多い)互いにくっついて花のような形を形成
- 4.樹枝状平板結晶
- ・雪印のマークでおなじみの形で、雪の結晶の代表とされてきたもの。美しい六花状の平板結晶である。
- ・ベントレーやハンスレーの写真集では、ほとんどがこの形の結晶で、雪の結晶とはすべてこの形であるかのような誤解を与えてしまった。
- ・六角形の図形の頂点それぞれから枝が出て、その枝にさらに小枝が派生したような構造になる。単に六本の枝が出たような単純な構造のものから、たくさんの分枝が生じた複雑なものまでいろいろなものがある。
- ・羊歯状・(シダ状):細い声だが数多く出たものをシダ状と呼ぶことがある。水蒸気が多いときにできる。
- ・枝の幅が広く、扇形のものが6枚で花びらを構成する形のものは水蒸気が多いときに生成される。
- 5.角板
- ・六角板の結晶は、その板の内部に不思議な模様ができる。ベントレーの写真集に多い
- 6.樹枝状角板結晶
- ・六角板の結晶の過度から樹枝状の枝が出た結晶。
- ・水蒸気が少ない層で角板結晶ができ、降ってくるまでの間に水蒸気の多い層を通過したとき、枝が生成されたものと推測される。
- 7.二花・三花・四花の結晶
- ・六本の枝があるべき結晶の構造から、何本かの枝が取れてしまったかのような、2本、3本、4本の枝の結晶の雪が降る。一見すると単に結晶が壊れてしまったようにも見える。
- ・六花の結晶の観察中に、中央部の核が2重になっているものを発見し、中央部分をつつくと、2つに分離。2重核の結晶が分離したものであることが判明。
- 8.変則型
- ・すべての結晶が美しい対称形をしているわけではない。変則的な構造の結晶も同じくらい多い。
- ・雪の結晶がすべて六角形となるのは、原子の配列によるが、外形まで、きれいに六角状になるわけではない。外形までがきれいな六角形の対称形になる方が不思議である。
- ・六本の枝がほとんど同じ構造に発達するのはどうしてであろうか。
- ・雪の結晶構造は上空の温度、湿度、風の向き(結晶が発達するための水蒸気が結晶に当たる向き)で決まります。
雪は上空せ形成されるときから、徐々に落下してくる間も、さまざまな条件の変化の中を通ってきます。
それらを考慮すると、筆者の推測では、雪はちょうどフリスビーやUFOのように平面側を地表に向けほぼ平行を保ちながら、こまのように回転しながら降ってくるのではないだろうか。
結晶のどの面も均等に風や水蒸気を受け、同じように発達する。そのため、きれいな対称性が形成されるのではないかと考えている。
- 9.立体樹枝形
- ・多くの雪の結晶は一平面内に発達したものであるが、枝が立体的に発達したものも少なくない。
- 10.鼓形
- ・角柱状の結晶の両端に平板結晶がついた構造。
- ・平板は樹枝状も多い。
- 11.12花の結晶
- ・雪は6角形と思っていると、12本の枝が出た12花の結晶にも出会う。なんと土井利位の模写にも観察記録がある。
- ・ベントレーも12花が6花2つに分離できることを記録している。
- ・まさに2重角の結晶で、2つの結晶がくっついた状態で成長したものである。18もある。
中谷は全部で18に結晶を分類しているが、結合形や組合せ形無定形などであるため、ここでは省略することにします。